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【続報】個人情報保護委員会がリクナビ「内定辞退率予測サービス」利用企業にも指導!

就活サイト「リクナビ」で、学生の内定辞退率を本人の十分な同意なしに予測して企業に販売していた件について、サービスを利用していた企業に対しても、個人情報保護委員会から行政指導を行ったとのこと。
また、提供元のリクルートキャリアには、新たな事実も確認されたとのことで、再度指導・勧告も出したようです。

保護委員会.png
https://www.ppc.go.jp/news/press/2019/20191204/
(個人情報保護委員会HPから抜粋)

この問題、とても大きくなっていますね…

サービスの利用側の企業の名前まで公表するとは、ちょっと驚きました。
トヨタや三菱商事など大手企業の名前がズラリと並んでいます。

行政指導2.png
https://www.ppc.go.jp/files/pdf/191204_houdou.pdf
(個人情報保護委員会HPから抜粋)

これらの企業も、リクナビからデータを受け取るだけでなく、
自社を志望する就活生の氏名を事前にリクナビ側に渡していたとのこと。
(もちろん学生は知らない。)
どの企業も、結果的に辞退率は採用の合否に使っていないと言っているようですが、なんとも嫌な気分になりますよね。

自分が就活生だとしたら、
いろんな企業を調べるだろうし…
複数の会社を受けるだろうし…
内定が出てもまだ迷うかもしれない…大事な人生の岐路ですしね。
その時の自分がネット上でふらふらした足跡(Cookie)(※)を分析されているなんて。絶対嫌ですね。
「この挙動は、内定を辞退する確率が高いぞ!」とAIに判定されて、
それがこのサービスを利用している企業側にデータとして行くってことでしょ?

※リクナビでは、個人情報である氏名の代わりにCookieで突合し、特定の個人を識別しないとする方式で内定辞退率を算出し、第三者提供に係る同意を得ずにこれを利用企業に提供していた。リクルートキャリア社は、内定辞退率の提供を受けた企業側において特定の個人を識別できることを知りながら、提供する側では特定の個人を識別できないとして、個人データの第三者提供の同意取得をしていなかった。


個人情報と言えば、氏名とか住所でしょ、と思っていた時代は終わって、
今では、それ以上に機微な情報(ビジネス上はとても有効な情報)も、
インターネット上でどんどん集めることができる時代です。

ビックデータの活用には反対なわけではありませんが、
本人が知る権利と拒否する権利は守ってほしい。

2020年には個人情報保護法がまた改正される予定もあり、
その時には、Cookieに対する規制も盛り込まれるようです。

本人が認識しにくい状況での個人情報の取得・利用・第三者提供等については、
今後規制が厳しくなっていくと思われますので、
第三者提供する方も受け取る方もしっかりと法令をチェックしていきましょう。

今回の事例は、そういう意味では、
個人情報保護委員会が細かく公表してくれるのは、とても有難いですね。
今後も注目していきたいと思います。

★ちなみに、リクルートキャリアはプライバシーマークを取得していましたが、
 今回の件を受けて、2019年11月14日取り消しとなっています↓
 https://privacymark.jp/news/system/2019/1114.html

2019/12/09   小塚 真紀子
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