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新型コロナ感染者の電子カルテ SNSで流出

コロナ関連&SNS関連&医療機関関連の事故事例です。

弊社のお客様には医療機関が多いのですが、
医療機関では電子カルテの中にお客様のセンシティブな情報がたくさんあります。
これらは、電子カルテシステムの中で厳重に管理されているため、
データ自体の漏えい対策はしっかりとされているのですが・・・
電子カルテ.jpg

医療機関の管理部門の担当者からは、
「実は口頭や噂話での漏えいや、SNSへの不用意な発信などが一番心配なんですよね。」
という声がよく聞かれます。

特に新型コロナの情報は、
今世の中の人々が一番敏感になっている情報であり、
漏れることで、ご本人(被害者)やご家族が風評被害を受ける可能性もあります。

今回報道されている事例は以下の通り↓
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医療機関を運営する青森県の「つがる西北五広域連合」の医療機関の看護師が
新型コロナウイルスに感染した学生の情報をSNSで流出させたという事故で、
流出に関わったと見られる3名の看護師が懲戒処分を受けています。

細かい状況はわかりませんが、
1名の看護師(看護師A)が、担当患者の電子カルテの印刷物を私有のスマートフォンで撮影し、
ほかの2名の看護師(看護師B,C)に直接、あるいは間接的に画像をLINEで送信したもの。
それぞれからさらに親族やほかの職員に拡散されたようです。

報道を見る限りでは、
拡散する意図や悪意はなかったようですね。
最初に発信した看護師Aは、
「心構えを」という趣旨で同じ病棟に勤務する他の看護師にカルテの画像をLINEで送信したもので、
さらに、当面帰宅できないことなどを親族に伝えた際にもLINEに画像を添付して送信。
親族はほかの親族1人にも画像を転送していたとのこと。

処分は、地方公務員法の規定に基づき、
情報を漏えいした看護師Aを停職6カ月、
BとCを減給(10分の1)6カ月の懲戒処分とのこと。
また、不適正な指導監督により、上司の看護部長と看護師長も訓告、
当該医療機関の長は厳重注意となったようです。

※参考:毎日新聞2020年4月22日付
https://mainichi.jp/articles/20200422/k00/00m/040/011000c

​医療機関では、こういった身近な実例を教育の際に周知すると、危機意識が伝わりやすいと思います。
悪意のあるなしに関わらず、SNSの拡散力は大きく、いったん発信すると止めることができません。
病院内での写真撮影についても改めて注意喚起することをおすすめします。

2020/05/11   小塚 真紀子
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