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NTTデータ、医療情報9万人分不適切取得

匿名加工情報関連で気になるニュースがありましたので、共有します!

次世代医療基盤法の認定事業者による医療情報の不適切取得事案について(PDF)|内閣府

NTTDATA1.png

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※匿名加工情報とは、
「特定の個人を識別することができないように個人情報を加工し、
当該個人情報を復元できないようにした情報のこと」です。
個人情報を匿名加工情報にすると、目的外利用や第三者提供を行う際に
本人の同意が不要となるので、個人情報の利活用が促進されます。
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匿名加工情報はさまざまな分野で活用されてきていますが、
医療分野でも活用が進んでいます。

ここで、個人情報保護法とは別に
医療分野の個人情報の取り扱い関連で知っておきたい
もうひとつの法律をご存知ですか?

それは、
「医療分野の研究開発に資するための匿名加工医療情報に関する法律(略称:次世代医療基盤法)」
というもの。

医療分野の研究開発で匿名加工情報を活用するために
平成30年に施行されたのですが、
国が認定した事業者(認定事業者)が、個人の医療情報を匿名加工した上で、
医療分野の研究開発で活用することができることとしています。

NTT DATA2.png

NTTDATA3.png
制度の概要:次世代医療基盤法について(内閣府HP)
https://www8.cao.go.jp/iryou/gaiyou/gaiyou.html

 

前置きが長くなりましたが、
この「認定事業者」というのが、今回問題となっている、
一般社団法人ライフデー タイニシアティブとNTTデータです。

この事業者は、個人情報(医療情報)を匿名加工情報にして、研究機関や製薬企業に提供することができるのですが、
今回、匿名加工化する前の個人情報(医療情報)について、本人への通知なく収集していたことが問題となっています。
原因はNTTデータのプログラムの不備のようですが、
(通知が完了していない患者を区別する仕組みがシステムになかった)
これはなかなか重大なインシデントですね。


NTTDATA.png

NTTデータHP:https://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2022/092001/

ただし、医療分野での研究開発のために、匿名加工情報の活用は重要だと思いますので、
これで匿名加工情報の活用が止まるのは残念です。
限定された事業者しか進められない事業なので、
早急に改善して再開できますように・・・
今後の報告等も注目して行きたいと思います。
 

2022/10/03   小塚 真紀子
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