2020年ももうすぐ終わりますので、
2020年下半期に読んだ本の中から、恒例の(?)ベスト5を発表しようと思います。
(私が読んだのがこの半年ということで、
実際に発行されたのはもっと昔のものもあります。)
※ちなみに、私の上半期のベスト5はこちら↓
2020年上半期のおススメ本ベスト5発表!
https://plug-in01.com/topics/archives/48
2020年下半期ベスト5は、こちらです!!!!
(気合入れすぎて長文です。汗)
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第5位:逆ソクラテス(伊坂 幸太郎)
伊坂幸太郎さんは、昔から大好きな作家さんで、
2010年頃から文庫本が出ると必ずと言ってよいほど購入して読んでいます。
今回はめずらしく装丁に惹かれて単行本を購入!
すごく素敵なイラストと紙の質感がものすごく好み。
そして、中身もとてもよかったです!!
小学生が主人公の5つの短編集で、
一日で読んでしまえるくらい軽い感じですが、メッセージは強い。
先入観はカッコ悪い!相手によって態度を変えるのはカッコ悪い!
そんな当たり前のことを改めて感じました。
読後感は爽快で、楽しく読める1冊としてお勧めです。
読み終わった後、すごく素敵な本に出会えた!と思えた1冊。
300頁ほどのさらっと読めるボリュームの中に、辞書作りにかける熱い想いと恋愛と…
が詰まってて、さらに所々クスっと笑えるのにウルっと泣ける。
最初は、展開が早くないかい!?と思いましたが、そこはメインではなく。
でも、お陰で馬締さんのキャラがしっかり確立し、
他のキャラも魅力的で引き込まれました。
辞書作りのことなんて考えたこともなかったけど、
当たり前だけど、人が作っているんだな~と改めて感じて、感動しました。
後書きがまた面白いので、是非最後まで読むべきです!
幼馴染の結婚式で出会ったスピーチに感動し、
伝説のスピーチライターに弟子入りした「こと葉」のお仕事小説。
ストーリー展開がモロ好みで、引き込まれました。
言葉やスピーチをテーマとしているだけに、
登場人物の発する言葉が心に刺さるんですよね。
「言葉」のチカラを改めて思い知ったのと、
スピーチライターという仕事のこともあまり知らなかったので、新鮮でした。
結婚式のスピーチから、
後半は政治家の選挙のスピーチがメインとなって行きますが、
全然難しくなく、さらっとしてて、でも深い。
複雑な伏線回収や捻った展開があるわけではないけど、
ただただ楽しめる、間違いないエンタメ作品です!
小説ではない哲学本(?)ですが、
今年最後の方に読んですごく心に響いた1冊です。
内容は全く難しくなく、具体的な事例がとてもわかりやすい!
「贈与」という言葉をこんなに真剣に考えたことがなったのですが、
普段感じるいろいろな場面での気持ち悪さの正体がわかった気がしました。
・送っていない人から「届いてしまった年賀状」を見た時の気持ち
・「あなたのために言ってるの!」という親の言葉の呪い
・なぜ親は「孫の顔を見たい」と言うのか?
・サンタクロースの存在の意義 などなど。
そんなことを、「贈与」という概念を通じて分析されています。
★「贈与」はその瞬間にそれが「贈与」だと気づかれてはいけない。
(受取人の自由を奪い、返礼の義務を生じさせる→「交換」になる)
★あれは贈与だったと「過去時制」によって把握される「贈与」こそ、真の「贈与」。
気になりますよね??
是非、読んでください!!!(笑)
第1位:すべてがFになる(S&Mシリーズ)(森 博嗣)
今年の1位は、このシリーズです!!↓
森博嗣さんのS&Mシリーズ。
1冊目の「すべてがFになる」は、
これが1996年(20年以上前!)に発行されたとは思えないくらい、
IT、テクノロジー、VR等…今の時代と同等のレベルの世界が
すでにリアルに描かれていることに驚きました。
離島にあるハイテク研究所内での殺人事件という
典型的なクローズドサークルの作品ですが、
犯人捜しよりも、そのハイテク環境にまず惹かれ、
さらにその最新のIT技術を背景とした謎解きにワクワクし、
天才的な真賀田四季博士と犀川先生との数学的な答え合わせに衝撃。
「すべてがFになる」
・・・最後にこの意味がわかった時、快感を覚えました。
その後、一気にハマって、
シリーズ全巻を買い、順番に読みましたが、
どれもトリックは、私にはほとんど解けません(笑)
でも、面白い!
これは、もしかしたら好き嫌いがあるかも?というシリーズですが、
ハマる人にはハマると思います。
もし好きだ!という人に出会ったら、語ってしまうと思います。
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ということで、
第1位と第2位が象徴するように、
今年は、工学系と哲学系に惹かれた1年だったような気がします。
「世界は贈与でできている」の近内悠太さんは、
慶応の理工学部出身で今は哲学研究者。
S&Mシリーズの森博嗣さんは、名古屋大学工学部出身で、
今は作家。そして、本の内容は理系ミステリーと言われていますが、
哲学的な内容もところどころに感じます。
そんな理系と文系の重なり合うような部分に、
ものすごく惹かれるのかな?と自己分析しています。
来年もどんな素敵な本に出会えるのか楽しみです!
みなさんも楽しい読書ライフを!